☆イオン半径の問題点☆

 

注意:最後までよくよむこと

よく原子半径の問題がでますが、これには盲点がふくまれています。

大抵、比べられるのが、【イオン同士】の半径の比較であります。

ここには【希ガス】が含まれていない!

たとえば、
よく比べられるのが、
「F「O2−「Na「Ca2+ですが、

これは、全てNeと同じ電子配置をとり、そのイオン半径は
陽子数の多さ、つまりの大きさ、
ひいては、をひきつける度合いから判断されます。

この事実に基づいて考えなければなりません。


これは、の多いものほど、
電子をひきつける=電子殻半径が小さくなるということなので、


「F「O2−「Na「Ca2+

となるのが一般的な答えです。

では、これらの電子配置を、イオンでない原子の状態でつくりだす
「Ne」はどこにいくでしょうか?
答えを先にいっておくと、「O2−よりもでかくなります。

ではなぜか?
実をいうと、紫はこの答えを知りません。
そこまで専門書を読んでいませんし、人にもきいてないのです。(汗

ただ、紫の推測するぶんには、
閉殻安定化によって、次の電子殻の準備があるのではないか?
そうでなければ、
等しく電子が配置されることによって、
電子同士に斥力、反発する力がはたらき、
お互いが反発しあうことで、結果的に陽子に近づく事を妨げているのではないか?
そう、推測しています。

というのは大きな間違い(爆)

結論から言いましょう。イオンの半径と、常態の原子の半径は比べられない。
これが正しい答えです。

同じ半径やねんやから一緒やろぉー。

そう思えるんですが、よく考えてください。かたやイオン、かたや原子。
まぁNeは単原子分子ですけども・・。

イオンと原子、そもそもイオンと分子(Neの場合)は働く力が全然チガウ。
イオンの場合は静電引力(クーロン力)というきわめて大きな力、
それは、磁石のひきあう力をかんがえていただければわかるとおもいますが、
そのきわめて大きな力と、分子間に働くファンデルワールス力は、
月とスッポンの差があります。

そして、なにより、半径の測定のしかたというのは、
測定している状態の分子の格子状態から、その格子の一辺の長さをつかって、
測定したりするもので、

イオン結合の場合、イオンを接近させて、その状態の格子結晶の辺を、
1/2倍したり、いろいろして、それで計算されるものであります。
そして、その格子状態の原子同士、クーロン力というきわめて大きな力で
ひきあうため、もちろん、原子の接近度は高くなります。

かたや、共有結合(金属結合の場合もおなじ)は、ファンデルワールス力という、
きわめて弱い力が分子を、共有結合という大きな力が原子をひきつけあいますので、
当然、原子の接近度はイオン結合とは全然かわったものになってしまいます。
ですから、その状態で、いくら原子半径をはかったって、イオン結合とはくらべることができないんです。

とくに希ガスの場合、他の共有結合と違い、原子一つで分子のやくわりをはたすため、
窒素や酸素のように、分子内でひきあう力ももちろんうまれませんから、
その分、ゆとりのある原子半径、つまり大きな原子半径をとります。
このことからも、イオン結合とはくらべることができない。

つまり、高校レベルではどうにもできないってことです。
それにみたことないでしょ?イオンと原子の半径をくらべさせるものなんて。(笑)
あったとしてもそれはレベルの低い(きつっ)問題です。
そもそも計測環境がちがうのだから、くらべようがない。
1molと1atmどっちが大きい?なんてきいてるよーなもんです。

もし、このような問題に出くわしたとしたら、一番いいのは、
「ファンデルワールス半径とイオン半径は比べる事ができない」
とするのがよいでしょう。しかし大小問題で並び替えしかできないときは、
とりあえず、「Ne」を一番大きいところにもっていっといて、
あとでたっぷり文句いってくださいね。^^

では、参考までに各半径をのせておきますね。^^

 

元素 原子 イオン 元素 原子 イオン 元素 原子 イオン
0.030         He 0.140  
                 
Li 0.152 0.090 Na 0.186 0.086 0.231 0.152
Be 0.111 0.059 Mg 0.160 0.068 Ca 0.197 0.114
0.081   Al 0.143        
0.077   Si 0.117        
0.074   0.110        
0.074 0.126 0.104 0.170      
0.072 0.119 Cl 0.099 0.167      
Ne 0.154 0.116 Ar 0.188        


 

>>>Return<<<